姑、小姑に囲まれ、必死に貞操を守り抜こうとする未亡人にとって、亡き夫に開発された26才の熟れきった肉体は、なんとも扱いかねるもの。その肉体を狙う男たちの好色な眼、周囲に次々と起こる刺激的な事件は、未亡人を淫らな性生活に誘い込んでゆく。

団鬼六「黒い鬼火」より 貴婦人縛り壺

小牧春彦は、妻雪絵のセックスに対する不感症のため日夜欲求不満に悩まされ、そのはけ口として、雪絵の友人秋子と逢引きをつづけていた。やがて、春彦は、雪絵の父に離婚の意志を伝えた。離婚の原因が雪絵の不感症にあると知った父は、雪絵を知人の婦人科で精神病医である矢野医師に紹介した。矢野は雪絵の昔の恋人であり、雪絵は最初恥らうが、…

南蛮渡来の秘薬をもらい、大奥の乱れに乗じ、僧衣の下に怨念と美しき女体をかくし将軍家へ復讐しようとする元名家の女の物語。 徳川十三代将軍家定の世ともなれば、江戸の街にもそろそろ勤皇佐幕の噂も立ち始めたが、大奥だけはそんな事に関わりなく燗熟し、女たちの政権争いは家定の愛顧を受けようと益々乱れていた…。